機関誌「新国策」バックナンバー

2024年バックナンバー


2024/12 令和6年12月号

時潮
大人の価値観が変わることで初めて日本は立ち直る
―難関大学こそ「面接」で価値観を問え  土居征夫

現代史の中の中国の外交戦略  三船恵美
中国は、米国主導の国際秩序を変革し、中国式政治モデルを尊重させる国際社会を目指す一方で、米国との衝突を恐れる危機認識も抱いている。第二、第三列島線におけるプレゼンスを拡大してきた中国は強大で堅固な現代的国境・海空域防衛力整備を開始、東シナ海情勢は新たなステージに入った。

石破政権に望む東アジア外交の新機軸  武貞秀士

ベストアンコールシリーズⅩ
中国問題と日本の立場 ―中共政策転換の条件  岸  信介

二〇二四年 『新国策』総目次


2024/11 令和6年11月号

時潮
岩盤支持層は動かなかった  伊藤俊行

自民党総裁選と新内閣の課題とこれから  老川祥一
今回の解散総選挙は「政治とカネ問題」に終始しており、我が国をとりまく厳しい国際情勢、人口減少、経済停滞、高齢化と介護、社会保障などの重要課題が争点になっていない。欧米でポピュリズムが台頭する中、保守政党としての自民党は今後どうなっていくのか。「守るために変える」が保守政党のあるべき姿だ。

大英帝国のパレスチナ支配の禍根
―一神教の世界観とパレスチナ紛争  松長  昭

新たな感染症に備える
―過去の教訓を生かせない日本  坂上  博

時局提言 日本の総理が中国国家主席に対して語るべきこと  土居征夫


2024/10 令和6年10月号

時潮
韓国映画「ソウルの春」を見て思ったこと  武貞秀士

福澤諭吉と現代  渡辺利夫
文明開化論者、啓蒙主義者、欧化主義者としての福澤諭吉像は、戦後の左翼リベラリズムの中で造作されたものであり、士風・士魂の精神の大切さや国権主義を説いた福澤の別の側面が見落とされてきた。『文明論之概略』や『脱亜論』で福澤が説いたのは、戦後の日本が忘れ去った独立自尊の精神である。

新しい資本主義  林  芳正
「新しい資本主義」の議論の背景には、短期志向が強まり、長期志向経営が困難になるなど、新自由主義の弊害がある。GXは新たなビジネスを創出し得る点、官民協力が必要な点、時間軸が長い点で新しい資本主義に相応しいテーマ。我が国の市場経済、民主主義の成功を内外に示すことは外交力の強化にも繋がる。


2024/9 令和6年9月号

時潮
露ウ戦争が提起するもの  大木啓介

最近の国際経済情勢と当面の日本経済  神山一成
人手不足で生産量を増やせない日本の製造業は、価格を上げることによって利益を確保できるようになっている。今後、米欧のインフレ率が落ち着けば、為替レートは円高に戻る動きになるだろうが、どこまで戻るかは日本の景気の強さ次第だ。日銀の金融引き締めへの転換は、時間をかけて徐々に行っていく。

時局重要案件と秋の政局を展望する  伊藤俊行
自民党総裁選は混戦模様で票が読めない。次期総選挙は自公でも過半数割れと予測されるものの、維新の会や国民民主との連立で自民中心の政権維持は可能だ。今やるべきは、小選挙区比例代表並立制の見直しや政党法制定などの改革。やらなければ日本の政治的な安定は失われていくだろう。

書評 伊藤俊行著『右傾化のからくり 漂流する日本政治の深層』  評者・正田  譲


2024/8 令和6年8月号

時潮
大局観を持ちじっと我慢の長期国家戦略を
―元大本営陸軍参謀本部作戦課長土居明夫の述懐から  土居征夫

先行き不安の尹政権とこれからの日韓・朝関係  西岡  力
韓国与党は総選挙で大敗し、尹錫悦政権は苦しい政権運営を余儀なくされている。文在寅政権が進めた日米韓連携からの離脱の動きは止まったが完全ではない。北朝鮮と通じる勢力がいることを前提に日本は韓国との協力を進める必要がある。拉致問題については、岸田政権は全被害者一括帰国の姿勢を維持すべきだ。

公共貨幣 ―「失われた三〇年」を取り戻す新国策  山口  薫

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2024/7 令和6年7月号

時潮
骨太の国策は本当に大丈夫なのか  土居征夫

我が国観光の現状と今後の取組  中村広樹
観光地域づくりにおいて重要なのは、旅行者・地域住民双方の好循環の実現だ。広範な関係者による「持続可能な観光地域づくり」、アドベンチャー・ツーリズム拡大等で高付加価値化を図る「インバウンド回復」、ワーケーションや第二のふるさとづくりの促進等による「国内交流拡大」に重点的に取り組む。

経済安全保障推進法とサイバーセキュリティ  櫻澤健一
企業の重要技術情報の漏えいを防ぐことは経済安全保障上の重要課題である。国家を背景とするサイバー攻撃、ランサムウェア攻撃、フィッシング詐欺等の脅威拡大に対し、能動的サイバー防御の導入やセキュリティ・クリアランスを含む情報保全強化が求められる。効果的情報共有等、官民の連携強化が必要だ。


2024/6 令和6年6月号

時潮
安全保障についての認識の共有化こそ抑止力
―官の制度整備に見合う民の主体的対応を期待  土居征夫

物流行政の現状と課題  長井総和
物流二〇二四年問題は物流危機の始まりにすぎず、中長期的な取組が必要である。我々は「商慣行の見直し」「物流の効率化」「荷主・消費者の行動変容」の施策三本柱で物流改革を進めていく。事業者、荷主、消費者が一体となって協力する環境を整備していくことが大きなポイントだ。

これからの台湾と日本の関係  蔡  明耀
台湾民進党の頼清徳新政権も、野党国民党が多数を占める国会も親米・親日を基軸として自由・民主を掲げている。台湾孤立化政策だけでなく、台米、台日関係の破壊も図ろうとする中国の戦略に注意しながら、台日は経済協力と安全保障を両輪として、信頼関係を強化する必要がある。


2024/5 令和6年5月号

時潮
拉致問題解決のために  武貞秀士

経営者に、問われる覚悟  村田博文
世界的な分断の時代を迎え、国内では人口減少が進む中で経営者の覚悟が問われている。時代のキーワードは「つなぐ」だ。企業が本業を進化させ、新事業を展開するための他社との提携、時代を牽引する若い経営者の連携、直面する問題を解決する意欲のある人の連携、そのいずれもが重要になっている。

混迷を深める二〇二四年の世界を読む
―日本が注目し、為すべき国策を考える  藤崎一郎

トランプ氏有利と言われている米大統領選は、前回同様かなりの接戦が予想され、最後までどうなるかわからない。一方、ウクライナは戦争の長期化でロシアより遥かに大きく疲弊し厳しい状況。ガザ紛争に関しては、中東戦争に発展する可能性は低い。アラブ諸国対米国・イスラエルという構図は表面的なものだ。

ベストアンコールシリーズⅨ
党近代化へのたたかい(下)―政治を毒する派閥体制の解消をめざして―
福田赳夫


2024/4 令和6年4月号

時潮
世相が暗転した中国  津上俊哉

グローバルサウスと日本  北岡伸一
先進国の威信が揺らぐ中で、今グローバルサウスが台頭しているが、一体感を欠いている。我が国は親日的な新興国を引き寄せるとともに、JICAによる支援の実績を生かし、対等な立場で相互信頼関係を築く姿勢を貫き、東南アジアとの関係を強化すべきだ。長期的には大国抜きの「西太平洋連合」構想を提唱したい。

日本トルコ外交樹立百周年
日本トルコ関係史とトルコの地政学的重要性  松長  昭

ベストアンコールシリーズⅨ
党近代化へのたたかい(上)―政治を毒する派閥体制の解消をめざして―
福田赳夫


2024/3 令和6年3月号

時潮
金まみれは政治だけの問題ではない  土居征夫

公益資本主義こそ新しい資本主義  丹治幹雄
二十世紀末から台頭した株主資本主義によって、企業は株主を偏重するあまりに短期的志向に陥り、従業員や顧客を軽視してきた。我々は富の偏在と格差の拡大を招く株主偏重経営に問題意識を持ち、かかわるすべての人に富を公正に分配し中間層を増やす「公益資本主義」を提唱している。

内外の諸課題  石破  茂
「あの戦争に行ったやつが日本の中心からいなくなった時が怖いのだ」――田中角栄先生のこの言葉の重さを最近痛感する。”戦後”が終わり民主主義と資本主義が変容した我が国に求められるのは、頻繁に行われる国政選挙によって失われた長期的視野に立つ政治だ。


2024/2 令和6年2月号

時潮
目眩まし改革では通用しない  伊藤俊行

人口減少社会における厚生労働行政 現状と課題  宮ア敦文
経済社会の縮小スパイラルを招く「少子化・人口減少」と「高齢化社会」への対策は厚生労働行政としての喫緊の課題だ。そのために、@こども・子育て支援の充実、A働き方に中立的な社会保障制度等の構築、B医療・介護制度の改革、C地域共生社会の実現、を四本柱とした全世代型社会保障の構築を目指している。

新年の中国経済の動向と当面の日中関係  津上俊哉
不動産バブル崩壊と地方財政破綻状態にある中国は中央財政出動による対策が急務。一方、EVとローエンド半導体では世界市場席捲の勢いがあり、それが世界の分断に拍車をかける可能性がある。微笑外交はあくまで表向き、共産党内に存在する”体制内民意”は対米追従する日本への反発が強い。


2024/1 令和6年1月号

時潮
世界人類の命運―日本の選択にかかる  土居征夫

ウクライナにおいて現状での停戦となった場合には日本を含む世界秩序に
どのように影響するのか?(トルコ人軍略家の視点を中心に)  小松啓一郎

ロシアが今回のウクライナ戦争で一定の利益を得たと判断すれば、一旦停戦した後に軍事力を立て直し、再びウクライナに侵攻する可能性が高い。国際社会にとって最善なのはウクライナの完勝。さもなくばロシアは停戦後、次に極東を狙う可能性が十分にある。

書評
下村博文(元文部科学大臣)・小林芙蓉(書道家)共著
書画『教育十七条の憲法〜「ただ生きる」から「善く生きる」へ』  評者・蝠ス  彬

二〇二三年国際情勢日誌
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